シュタインズ・ゲート:パレートの法則とタイムパラドックス
ゲームを一回試みたことあるけど最初から世界観に馴染めず挫折してしまったシュタインズ・ゲート。
アニメで観ると能動的になれないキャラの言動や雰囲気,展開もスルーしやすくて最後まで楽しめた。
こういうアニメ作品は,物語も大事だけどキャラ愛をいかに持たせるかが重視されている印象。
キャラ愛ってこの類のコンテンツの経済ルーティンになっててすごいよね。
もちろん二次元に関わらず,実写でも「竹内涼真が出てるから観る」みたいなのが普通にあるし。
物語よりそれ以外に魅力を持たせるのがサブカルチャーのテクだってのか。
なんかカリスマ性でファンを増やす宗教みたいなマーケティングと似たものを感じるし,パレートの法則ってどこでも使われてんなって恐くなるね。
まあ何だかんだ言っても観終わる頃にはきっとみんな岡部もダルもクリスティーナもまゆしーもその他諸々も大好きになってるだろうし本作の話に移る。
タイムリープネタでヒットした本作,たしかに納得できる理論は多かったし,世界を救わず,物語をコンパクトに収めてるのも洒落てた。
物語をコンパクトに収めることでサブキャラも引き立ち,観者はキャラ愛も燃やせるというよくできた仕組み。
本作のようなタイムリープネタを作る上で最も足かせになるのがタイムパラドックス。
つまり過去の改変によって現在や未来が変わってしまうこと。
今までタイムリープものでタイムパラドックスの説明が追いつかず残念な感じのコンテンツがいくつあったか……。
今作はその足かせを逆手にとったのが良かったのかもしれない。
世界線が複数存在する説明まではよかった。
でもその世界線を移動できちゃうとなるとけっこー話はややこしい。
岡部は世界線を移動する能力があったとして,移動後,その世界線で岡部はどう過ごしているのかという説明はされていないし,記憶が並列する他キャラと完全に入れ替る岡部ではエントロピーも全然違うはず……。
まあまあ,タイムリープネタは心を広く持って観るべしと過去の作品たちに教わってきたのでそんなとこでいちいちケチはつけない。
その作品で定められたルールが全てだと思って楽しもう。
Dメールから記憶,そしてシュタインズゲート。
それらは密接していて,世界観は広がっているようであくまでミニマル。
タイムパラドックスネタも許容範囲内に理屈付けされてたので,映画やシュタインズ・ゲート ゼロも観ようと思う。
身の回りの不合理には積極的にオペレーションウルドを発動していこうな。