msha_on’s blog

映画を観た感想を中心に日常の気づきを呟いていくドラえもん好きです。

ドラえもん映画は同窓会を行ってブレークスルーしていく

ドラえもん*1から新生ドラえもん*2に変わり、今年で13年になる。

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声優陣が変わってざわついたドラえもんも今では普通に受け入れられているように感じる。

それは新ドラえもんを知らない世代が増えただけが理由ではないはず。

 

新生ドラえもんの成果として大きいのは、「STAND BY ME ドラえもん」の記録的大ヒットだ。

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他に毎年恒例のアニメ映画も近年は「ひみつ道具博物館」「南極カチコチ大冒険」「宝島」などユニークな作品が目を引く。

 

 

こうやって映画を概観すると、少しずつ見えてくるものがある。

 

  

1980年「のび太の恐竜」から始まった新ドラ映画は毎年恒例となり、日本人の文化に馴染んでいった。

言うならば「ドラえもん成長期」だ。

成長期はいつしか成熟期となって安定(マンネリ化)した。

 

そんな中で声優陣が交代し、ドラえもん文化は大きく揺れる。

そして公開された新生ドラえもん初の映画は「のび太の恐竜」のリメイク「のび太の恐竜2006」だった。

それまで新しいストーリーで映画が作られるのが当たり前だった中での挑戦的な取り組み。

新生ドラえもんを受け入れられないのは大人世代だってことをよく理解した上で初めて過去のドラ映画をリメイクした作品だった。

大人層を取り込むということはつまりクレしんの「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」のようなもんだが、子どもからの普遍的ニーズと、大人からの時代の流れに左右される変動的ニーズや監督の思想をブレンドしたコンテンツを作るということ。

ドラえもんが抱えたマンネリ問題に「のび太の恐竜2006」が警鐘を鳴らした革命の瞬間だった。

 

その次の「新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜」はドラ映画初の女性監督という新鮮さもあり、良い傾向が続いた。

しかしその後はやはり子ども向けコンテンツとして新ドラえもんと同じルーチンワークにハマってしまっていた(人魚大海戦とか個人的に酷かった記憶)。

 

そこに再度警鐘を鳴らしたのが「STAND BY ME ドラえもん」。

ドラえもんってワードを聞いたことがある全層を取り込んだ「のび太の恐竜2006」以来の大同窓会。

これを成功させたのはドラえもん界では偉業だ。

 

自分はSTAND BY MEのこの「 大人層もターゲットに考える」スピリットを受け継いだのが「南極カチコチ大冒険」なんじゃないかと考えている。

冒険物とは言い難いSF色の強さはかなりチャレンジングだったはずだし、「こんなのドラえもんじゃない」って声もあがった。

でも作者が死んだ今、ドラえもんを使うのは作者ではなく監督だ。

ドラえもんは今後もっとツールとして自由に使われるべきだと思うし、色々なブレンドのされ方をして時代によって違うドラえもんを見届けていたい。

「宝島」も名作だったけどそこまで書いてるとキリがないので次の機会に。

 

 

STAND BY ME以降ドラ映画は益々熱が増してるような気がする。

 

個人的にはSTAND BY MEで描いたヒューマン路線を、アニメ版でも冒険路線に囚われず盛り込んでいけたらまた新しいドラ映画が観られるかもって思ったり。 

クレしんは自由度が高すぎるので、キャラやストーリーがかなりアルゴリズム化されたドラえもんは遊びを加えてもキャラの良さが普遍的という良さがある。

 

そんな妄想をしながら、オリジナルストーリーのドラ映画が増えてきた傾向も踏まえつつ、来年のドラ映画も楽しみに待つ……。