のび太とふしぎ風使い:「好きな映画」と「良い映画」
自分の周りの友人に「好きなドラ映画は?」と聞くと多い答えは「おばあちゃんの思い出、結婚前夜、ふしぎ風使い、ワンニャン時空伝」辺りな気がする。
これってドラ映画の中でこれらが特別良かったというより、一番世代にフィットしていたってのが大きいんじゃない?と思う。
これって他のサブカルチャーにも言えることだ。
例えば特別好きな曲じゃないけど耳に残っていてふとした時に思い出す昔の曲だったり、ゲームのキャラクターを見るだけでノスタルジックな気持ちになったり。
そういう経験ってきっと誰しもあって、そういう理由で好きなコンテンツこそ、その人の人生や経験に密接に寄り添っていて、そのクォリティ(歌詞が良い、伏線回収が鮮やか、映像・演技が良い等)を凌駕する魅力があるんだと思う。
そういった意味でこのふしぎ風使いは、一番ドラえもんをピュアに見ていた自分ドンピシャの映画だ。
俺はフー子が好きだしこの映画も大好きだ。
この歳になって見ると風の民の説明が弱くて、舞台背景が見えないまま話が進んだりとツッコミどころはある。
しかし、そんなことどうでも良くなるくらいに懐かしい気持ちになるし純粋に泣ける。
ドラえもんというカルチャーと自分の人生がまるで共鳴しているようだ。
エピソード記憶をもう一度体験出来る──それも気軽に──というのは映画の強みだね。
そしてそれが自己を形作る一部であったことを違うフェーズ(年代)で理解できる。
漫画やゲームだとどうしてももう少し時間がかかるから反復しづらい。