プーと大人になった僕:「仕事ありきの休み」だけでいいのか
"What day is it?"
"It's today."
"Oh, my favorite day."
いい歳したおっさんが「プー!?」って言うのがすごすぎる。
そして,プーの声がしゃがれてんのが,この映画のメッセージがただ「子どもの心を取り戻そう」なんて単純なものじゃないことを暗示してる。
自分や周りの休みの過ごし方を振り返ると,勝手な印象だけど,ただ好きな時間を過ごすってより,仕事で溜めたフラストレーションを発散する意味合いが強い場合がしばしば見られるような気がする。
特に忙しく切羽詰ってる時は,短時間で短期的にでも幸福や満足を得られそうな息抜きを求めそうになる(因みにそういうものは大体,労働とのサイクルを回しやすくするためにお金がかかる:ex.飲食,散財,アイドル,水商売,etc)。
プーはきっと「その休み方は,風船より大切なの?」って聞いてくるよ。
何が言いたいかと言うと,そういう休みの過ごし方は勿論大事な場合もあるけど,「仕事ありきの休み」じゃんってこと。
つまり「休みありきの仕事」でもあり,もし仕事がなかったら必要ない休みなのだ。
プーが求めてるのはそういう休みじゃなくて,「なーーんにもしなくて良いときに自分がしたいと思うこと」をできる時間。
自分の貴重な人生の時間全てを,他の何かに持って行かせてどうするんだい。
「今日以外のことを考えない」ことを忘れかけた大人に,プーはそのつぶらな瞳を向けてくれるのだ。
と,ここまでの話は私見で,"Doing nothing often leads to the very best of something."の意味はきっと人それぞれによって違ってくる気がする。
メッセージが単純化されてるだけに複合的で,脚本は緻密で素敵な映画だったと思う。